母は、私が10歳の時、
突然家を出ていきました。
両親が不仲だったことすら
気付いていなかった。
その夜、
おじいちゃんとおばあちゃんの間で
泣き疲れて眠った記憶があります。
でもその次の日から、
私は泣かなくなった。
自分を守るために、強くなりました
___いつも笑顔でした
__いつも場を和ませていました
_いつも大人に可愛がられるように務めました
それが私の生きる術でした。
大人になって
私を好きだと言ってくれた人と結婚しました。
___安心を手に入れました
__居場所ができました
_これで幸せになれると思いました
子供2人に恵まれて
義両親とも仲良く、同居。
車を買ったり、旅行にも行って、
”一般的に言えば幸せな家庭”でした
でも私はいつも苛立っていた。
___言わないとやってくれない
__なんで私ばっかり
_存在にイライラする
子供に優しくしたいのに
できない自分が苦しくて、
買い物やお酒で気持ちをごまかしてた。
そして突然「離婚したい」と告げられる。
夫には相手がいました。
初めは嫌だと言いました。
でもそれは【子供のことを考えて】
”私が夫を失ったら嫌なのか?”
と自分に問うと、答えはNO。
3ヶ月後、別居して離婚成立。
新しい部屋に子供と引っ越した日。
自分で選んだ家具、
自分で買った家電。
全部自分の意思だけで決められる。
その瞬間気付いたんです。
同居も。義両親との距離感も
「嫌じゃないふり」をしていただけだと。
本当は、全部嫌だった。
でも、嫌だと気付くのが怖くて、
完璧な私でいたくて、
一人になりたくなくて、
見ないふりをしてきた。
___普通は。
__みんな。
_流行りだから。
そんな言葉で自分をごまかして。
けれど、家を出た瞬間に感じた
あのワクワクは忘れられません。
「ここから私の人生が始まる」
結婚を決めた理由も、
同居を選んだ理由も、
仕事を辞めた理由も、
引っ越し先を決めた理由も
全部”合理的で賢い選択”だと思っていた。
でも、本当はただ
___見捨てられるのが怖かった
__ひとりになるのが怖かった
そんな小さな10歳の私がいた。
母がいなくなって
安心も愛も突然なくなって
どうやって生きるのか必死で考えた結果、
私は「人に懐く」という方法で
自分を守ってきたんだと思う。
自分を失っていたけど
今は幸せだと胸を張って言える。
だから、全部正解。
過去は変えられない。
でもこれからの私は、
”自分の意思で生きる”を選ぶ。
そして、過去の私を責めるんじゃなくて
あの時の私を肯定できる自分でいたい。



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